令和4年6月17日、労働政策審議会障害者雇用分科会にて「今後の障害者雇用施策の充実強化についての意見書」が出されました。

〇障害者の「雇用の質」の向上を図る方針を明確化し、事業主は、雇用する障害者に対して、その有する能力を正当に評価し、適当な雇用の場の提供や適正な雇用管理の努力義務があり、その実現のために、キャリア形成の支援を含めて、適正な雇用管理をより一層積極的に行うことを求めることが適当である。

○また、行政による、事業主に対する支援として、ハローワークにおいてはアセスメントやマッチング支援を強化することが適当。加えて、障害者雇用の質を高める観点からは、障害者の定着支援を図ることが重要であり、助成金による支援の充実を含め、職場適応援助者(ジョブコーチ)の活用を促進することが適当である。
〇精神障害者、重度身体障害者、重度知的障碍者については10時間以上20時間未満の雇用を実雇用率に算定する特例(1人をもって0.5カウント)を設ける(A型除く)

〇雇用率未達成企業の納付金を原資とした障害者雇用調整金・報奨金について財政状況の悪化が懸念されており、調整金については支給対象人数が10人を超える場合には超過人数分に対する支給額を50%とし、報奨金については、支給対象人数が35人を超える場合、超過人数分に対し得支給しない上限案を示している

〇納付金制度の適用範囲の拡大(常時労働者100人以下)は見送り

〇精神障害者に対する実雇用率の算定の特例(短時間労働者でも1カウント)は当分の間継続。新規雇入れまたは手帳取得から3年間という要件撤廃。ハローワークが障害者本人からの相談や定着支援等を通じて労働時間の延長(週30時間以上)に向けて対応が必要なケースを把握した場合には、事業所訪問を通じて職場環境・就業状況等を確認し、必要に応じて関係機関と連携しつつ助言・支援や雇用管理指導を行うことが適当である。