労務管理には労働時間や賃金、人事評価の管理などに加え、労働者の健康管理も含まれる。
会社には、労働安全衛生法やその他の法令によって雇入れ時や年1回の健康診断など行うことが義務づけられており、結果を本人に通知するとともに、健康診断個人票に記録して5年間保存することが求められている。労基署の監督でも、「定期健康診断を行っていない」「健康診断の結果を会社に保存していない」などの是正勧告が出される。
「業務が忙しいから健康診断を受けない」と労働者から言われてそのまま放置しておくケースも見られるが、受けないと言われたからといって、労働者の生命・健康を保護するよう配慮するべき使用者の責任(いわゆる安全配慮義務)や、監督官の指摘する違法性を免れるわけではない。会社は、健康診断を受けさせるために忙しい業務を調整する義務も負っているのだ。
また最近では個人情報保護法の施行とともに、雇用に関連する個人データに関する意識も高まり、労働者が「会社には健康診断結果を見せたくない」と、健康診断結果を会社に保存することを承諾しないというケースも聞く。
もちろん、会社に法律上の保存義務があることを説明することになるのだが、そもそもなぜ会社が保存するかというと、医師の所見があれば勤務形態や就業内容を見直す必要があるかもしれないし、過重労働や職場のストレスにより健康を害している可能性があれば何か対策を打たなくてはならない。何のために健康診断の結果を保存するのか、その利用目的を労働者にわかってもらう努力も必要なようだ。
その他、会社が保持する個人データにどのような安全管理対策を設けているのか、開示・苦情に関する体制はどうなっているのかなど、労働者の信頼を得られるような取り組みが不可欠な時代になったと感じさせられる。
平成17年10月10日 第2556号
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