最近、日本各所で大きな地震が頻発している。8月16日、宮城地震では震度6弱、東京でも震度4を記録した地域があった。
地震、洪水、暴風雨、雷などの天災地変による事故は、業務に起因するものでないことから労災として認定されないのが原則だ。天災地変については業務中・外を問わず発生するものであって、事業主の管理下にあるか否かに関係なく等しくその危険性があるといえ、個々の事業主に災害発生の責任を帰することは困難だからというのがその理由である。しかし、もともと危険性のある業務を行っているときに天災がおこり、災害を被りやすい事情とあいまって発生した場合には、労基署で労災と認める場合がある。
このようなケースがあった。道路工事中の作業現場で地震が発生し、道路際の民家のブロック塀が倒壊して、たまたまその附近で作業中の労働者が下敷きとなり死亡した。倒壊したブロック塀に鉄筋による補強がなかったなどの事情があり、地震とあいまって被災したという業務起因性が認められたというものである。
このように災害時の労災認定は、個々に状況を調査して判断されるため、天災だから一概に対象になる・ならないとは言い切れない。
ただ、地震が大規模になればなるほど、特定の職場環境だけではなく周囲すべての危険性が高まるため、一般的には労災認定は困難になると考えられる。もし自社で業務中に地震があり労働者がケガをした場合は、災害時の労災認定の対応について何かしらの指針が出ていないか厚生労働省や都道府県労働局、労基署のホームページなどで情報収集し、不明な場合は労基署に問い合わせた方がよい。また、企業に対しては、申請により社会・労働保険料の納付に猶予を与えたりすることもあるため、総務担当者は地震後も情報収集に全力を傾注したい。
平成17年10月3日 第2555号
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