先週、解雇理由は個々に妥当性を検証されると指摘したが、その解雇理由が正当なものと仮定して、その後の手続をみていきたい。手続に求められるのは"計画性”である。
労働者を解雇するにあたっては、労働者が当面の生活に窮することがないよう、会社が守るべき手順が定められている。労基法では、解雇の30日以上前に予告をするか、その日数を短縮するのであれば日数分の平均賃金を支払うことが求められている。これを解雇予告手当という。解雇の日付まで15日しかなければ、解雇予告手当は15日分となる。つまり、30日の生活保障が最低条件なのである。
なおこの制度は、最初から臨時で業務を行うことがわかっている日雇の労働者、2ヶ月以内の期間・季節的業務で4ヶ月以内の期間を定めて使用される者、それから入社14日以内の労働者は適用とならない。
これら以外の労働者であれば30日以上前の解雇予告もしくは解雇予告手当は必ず必要だが、会社側は「(解雇したいと思うくらいなのだから)金銭を支払いたくない」と考えるらしい。そうであれば、30日以上前に予告するしかない。「今すぐ解雇したいのだが、金銭は支払いたくない」は、通らないのである。ちなみに解雇の申渡しをしても、解雇予告手当を支払わない限り解雇の効力は生じない。
では、「今すぐの解雇」すなわち即時解雇でも、解雇予告手当の支払をしないで済むのはどのような場合か。それは、天災事変その他やむを得ない事由のため事業の継続が不可能な場合や、労働者の責に帰すべき理由がある場合において、労基署長の認定を受けたときである。ただ認定を受けるためには単なる事業廃止などでは認められず、また労基署の調査に数週間かかることもあるため、やはり今日思いついて明日で雇用関係終了とはいかないのである。
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