賃金と労基法というと、まず「賃金支払の5原則」を理解して運用しているかどうかがポイントとなる。 通貨で支払うこと。直接労働者に支払うこと。全額を支払うこと。毎月1回以上支払うこと。毎月一定期日に支払うこと。これらが5原則である。
最近は、給与を口座振込みにしているケースがほとんどだと思うので、通貨払いや直接払いの原則に違反するといった問題はあまりないだろう。
5原則の中で、よく問題になるのが「全額払いの原則」についての違反である。
就業規則にはきちんと賃金控除について規定されているが、賃金の一部控除に関する労使の書面協定が交わされていないケースが多い。協定書がない状態で、たとえば社員親睦会の会費を給与支払の都度控除している場合、これはあきらかに労基署の指導の対象となる。
労使の協定書には労基署への届出義務があるものもあるが、この賃金の一部控除に関する労使の書面協定は届出の必要がない。労基署から指摘される前には作成していただきたいと思う。
全額払いの原則でもうひとつ。残業代など計算する際に、残業時間を丸めて計算している会社も多いと思う。この丸め方にもルールがある。規則にしたがい賃金計算しないと、「残業代未払い」といった問題の元になる可能性がある。リスクの種だ。
ちなみに、1日単位で残業時間の端数(例えば10分単位で切り捨てるなど)はしてはいけないことになっている。切り捨て可能なのは、1ヶ月間の残業時間の合計から30分未満の端数を切り捨てることだけ。「ちりもつもれば・・・」ではないが、切り捨てた残業時間でも、2年前までさかのぼり「賃金不払い」として多額の未払い賃金を請求され場合もある。
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