「労働基準法における時間管理は実状と合っていない」という声を、企業からよく聞く。
確かに現在の労働基準法では、基本的に労働時間と賃金が連動しており、能率がよくても悪くても、時間外労働が発生すれば割増賃金を支払わなければならない。ホワイトカラーでも仕事を細分化して配分していれば、個人の仕事の出来・不出来がある程度見える。出来が悪くて残業したのに、本人のミスや手際の悪さまで企業が保障をしなければならないのか、というのが企業側の意見であるようだ。企業が柔軟に対応できるようみなし労働時間制が存在するが、それでもまだ適用できるのは一握りの労働者であり、手順もたくさん踏まなければならない。「残業で稼ぐ」。そんな社員の本音を聞くたび、企業側の怒りも再燃する。
このような法律を企業側は「規制」と捉えている。この労働時間に関する規制が、柔軟な勤務形態を作り上げることに限界を与えているとし、「裁量労働制は労働時間規制の適用除外とすべきである。ホワイトカラー・エグゼンプションを導入しては」「対象業務の拡大および各手続きの簡素化を図るべき」などの提言が相次いでいる。ホワイトカラー・エグゼンプションとは、労働時間にかかわりなく成果を求められるホワイトカラーについて、一定の限られた労働者以外は労働時間規制の適用除外とする制度であり、既に米国で導入されている。
ただこの「労働時間の規制」を取り外したとしても、すぐに労働者が自律して勤務に励むとは限らず、自分でコントロールできずに無理をして体調を崩すこともあるだろう。また、自己管理能力を語るときには、管理監督者といいながら年功序列の名のもとにマネジメントを伴わない管理職を増やしてきた日本の特徴も考慮すべきである。慎重に検討を重ねることが望まれる。
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