労働基準監督官(以下、監督官)は、毎年行われている採用試験に合格し採用された国家公務員。昨年は6843名の受験申し込みに、最終合格者数が147名。倍率にすると約50倍のかなり狭き門だ。実際に採用されるのは85名ほど、さらに絞りこまれるようだ。
採用後には1年半の研修。監督官には幅広い知識と経験が求められるということだろう。採用案内を見ると監督官の主な仕事には 「臨検監督」、「司法警察事務」、「災害調査」の3つがある。
臨検監督とは、実際に企業や工場に立ち入り、帳簿類や機械・設備などの検査を行うこと。法令に違反していることがあれば、事業主等に対して改善指導を行い、危険な機械・設備があれば、その場で使用停止の命令を出す。最近は、サービス残業に対する指導が非常に多い。私も事業主からの相談に乗るケースが増えている。
臨検監督の結果、是正勧告書や指導票の書面により法令違反が指摘される。事業主は期日を指定され、是正しなければならない。
次に司法警察事務。労基法や労働安全衛生法には罰則の規定がある。これらの法律に違反する状態があれば、監督官は刑事訴訟法に基づき、事業主等を検察庁へ送検する。特別司法警察官として犯罪捜査を行う。2年前には、サービス残業をさせたとして、ある使用者が監督官に逮捕された初の事件もあった。
もうひとつが災害調査。工場や建設現場などで大きな労働災害が発生した場合、現場に急行して災害の発生状況や原因などを調査し、災害の再発防止についての必要な指導を行う。
これら監督官の仕事は、労働者の労働条件を守り、改善することから、労働者の生命や健康を守ることまで多岐にわたる。 企業にとっては怖い存在(?)かもしれないが、法律を守っていれば、何も問題ない、はず。
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