労働者災害補償保険法が昭和22年に施行されてから、あと数年で60年を迎えます。その間、サービス業の割合が増えるなど、労働に関する構造も変わりました。
厚生労働省が発表した2003年の労働災害の発生状況によると、労働災害による死亡者数は、前年より30人少ない1,628人でした。死亡者数の推移を見てみましょう。 |
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労災においても、心の病がクローズアップされています。厚生労働省が発表した2003年度の「脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況」では過労による精神障害の労災請求件数は、前年度から97件増え438件に達しています。請求・認定ともに件数が増加する傾向は今後も続くと予想されます。 |
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認定内容を年齢別に見てみると、働き盛りである30代が最も多いのがわかります。 |
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精神障害等による労災の認定が増えていることに代表されるように、労災の認定も時代の流れとともに変わってきています。社会変化や、それによる要請により、今後も変わり続けるでしょう。過去の認定と、今後の認定の2つの方向で考えなければなりません。ここでは「えっ」と驚くような認定をご紹介します。 |
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| 治療歴のある十二指腸かいようも認定 |
海外出張先で十二指腸かいようになったのは連日の商談や接待によるストレスなどが原因だとして、労災と認めるよう求めた訴訟の上告審判決で、最高裁の判決では「男性には通常の勤務より異例に強い精神的、肉体的負担がかかっており、出張は客観的にみて特に過重な業務だった」と認定。
持病だからと言って、「会社のせいではない」と言えません。 |
| 45年前の石綿吸引によるがんを労災認定 |
2002年に胸部がんを発病した71歳の元船員が、がんは45年以上前に従事した作業でアスベスト(石綿)を吸引したのが原因だとして労災申請し、2004年3月に認定されました。
これまでの職歴でどんな作業をしてきたか、会社・本人ともに記録が必要ですね。 |
年金にサービス残業代を加算 |
労災認定した会社社員に対する遺族補償年金について、サービス残業代を加算した金額を決定した。「客観的な資料があったのでサービス残業代を加算できた」とされている。
サービス残業はこんなところにも影響があります。 |
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| 国の政策に対して、社会の求める姿は時代によって変化し、労災保険についても例外ではありません。
増加する心の問題については予防の取り組みもなされており、「勤労者・心の電話相談」(労災病院)には自殺を含めて様々な相談が寄せられています。また、働く女性が安心して受診できるように、労災病院において「働く女性専門外来」が設置されています。性差を受け入れた上で、男女が差別なく働けるような環境を作るのも、これからの課題です。
社会の動きをキャッチして、利用を含めて積極的に関わっていきたいものです。 |
文責:社会保険労務士 中村友美 |